PL保険では補償されない純粋経済損失を賠償するE&O補償・・・
多くの製造業企業は、自社が製造した製品が原因となった賠償責任に備えるためにPL保険（生産物賠償責任保険）や事業活動総合保険や企業総合賠償保険などに加入していますが、顧客や第三者に身体の障害、財物の損壊がない場合にはこれらの保険では補償対象外となってしまいます。
身体に障害や財物に損壊を伴わない場合であっても経済的な損害が発生していることを純粋経済損失と言います。
例えば、自社が製造した製造部品等が原因となり納入先の製品に組み込んだ時に設計通りの機能を果たせなかった場合、納入した部品等を作り直して再度納入するまでの間、納入先の製造ラインが停止した期間の経済的な損失などです。
このような純粋経済損失を補償するための保険として製造業業務過誤（E&O)保険があります。
E&Oとは・・・
EはErrors「過失」、 OはOmissions「怠慢」と訳されます。
この保険は、PL保険（生産物賠償責任保険）や事業活動総合保険などの賠償保険では補償されない、顧客や第三者の身体や財物の損壊のない場合でも製造業者が負う純粋経済損失に対する賠償責任を補償するものです。
純粋経済損失とは・・・
製造された製品の欠陥により発生した物的損害を伴わない第三者の経済的な損失
製品が契約で指定された機能的な条件を満たさないことによる第三者の経済的損失
など・・・
例）納入した部品が契約上の規格に達しておらす使えなかったため、完成品メーカーは部品が再度製造し納入されるまでの間、製造ラインを止めることになった。その間、製造が停止したことにより経済的な損失が発生したため、不良部品を製造した部品メーカーは損害賠償を求められた。
製造業務過誤（E&O)の対象業種は・・・
自動車部品の製造業、電気製品の部品製造業、機械・ロボット製品の部品製造業、電子部品の製造業など、完成品メーカーの製品の一部となる部品製造を行う製造業の方には是非準備する保険です。
製造業務過誤（E&O)の補償内容は・・・
自社製品の不具合で取引先が受けた経済損失を補償する。従来のPL保険では第三者のけがやモノの故障を補償していたが、不良品に起因して起こる納入先企業の機会損失など収益減を補償する。
生産施設の大規模化や海外への販路拡大で不良品を製造した際の賠償リスクが高まっていることに対応する。
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