【賠償責任保険の選び方】施設・建物の管理不備による賠償事故 施設賠償責任保険

施設・建物が原因の賠償リスクまとめ

自社の所有している施設(事務所、営業所、倉庫、資材置場等)や使用管理している施設の管理不足が原因で、他人がケガをしたり、他人のモノに被害を負わせたりした場合、法律上の損害賠償責任を負うことになります。

注意しなければならいのは、自社が所有している施設だけではなく、賃貸で借りて自社が使用している施設の管理不備や、一時的な仮設のものも自社が所有管理している施設同様に、その管理不備によって責任を問われる可能性があることです。

自社の所有施設ではないからということで責任を免れることはありません。自社が使用し、管理している以上は、その責任を問われます。

 


目次

自社の施設・建物の管理不備が原因の損害賠償と賠償責任保険の選び方

  1. 施設・建物の管理不備が原因の損害賠償リスクまとめ
  2. 施設・建物の管理不備が原因で事故が起きたケース
  3. 施設・建物管理不備による損害賠償リスクに備える方法
  4. 施設・建物の賠償責任保険を選ぶ3つのポイント

 

 

自社の施設・建物の管理不備が原因の損害賠償と賠償責任保険の選び方

1.施設・建物の管理不備が原因の損害賠償リスクまとめ

損害賠償の原因となる、自社の施設・建物と事故発生例

【自社の持ち物である所有・管理する以下のもの】

社屋・店舗、事務所やその他施設や建物、工場・作業場の建屋や屋外設備、倉庫、現場の一時的プレハブ事務所・資材などの事業用に使うものが全てが対象であり、これらの管理不備や欠陥によって発生した他人への被害を及ぼした場合に損害賠償責任が発生します。

例)社屋の外壁がはがれて落下、通行人に当たりケガをさせた場合

例)建物の入り口スロープの手すりが老朽化しているのに放置していて、お年寄りが手すりにつかまった際に壊れて転倒しケガをさせた場合

例)工場建屋のスレートが老朽化しており強風で飛ばされ通行車両に当たり車を傷つけた場合

例)夜間の工事現場で無人の間に現場の柵が倒れて通行人にケガを負わせた場合

例)工事現場の廃材コンテナに飛散防止の覆いをしておらず、夜間の強風で飛散して民家の窓ガラスが割れた場合

 

【賃貸などの借りた施設・建物の管理不備によるもの】

賃貸契約などで借りている施設・建物の使用や管理不備、によって発生した他人へ被害を及ぼした場合に損害賠償責任が発生します。

例)テナント店舗の前に置いていた看板が風で倒れて、通学中の小学生にあたりケガを負わせた場合

例)賃貸の事務所の外壁に取り付けた自社の看板が老朽化で落下して通行人をケガさせた場合

例)店舗の床が油で滑りやすい状態で、お客が足を滑らせ転倒し骨折した場合

 

2.施設・建物の管理不備が原因で事故が起きたケース

 

【1】ショッピングセンター内で足を滑らせ転倒し骨折、860万円の損害賠償(事故発生平成21年10月)

賠償額:860万円

事案概要:ショッピングセンターのアイスクリーム売り場の通路で、71才の女性がショッピングカートを押して歩いていたところ、通路に落ちていたアイスクリームで滑って転倒し、足と腰を骨折した。入院と通院での治療を行ったが、右足の関節に機能障害が残った。

結論:当日はアイスクリームの割引セールが行われており、売り場が混雑し、購入した客が食べたアイスクリームの一部を床に落とし床が滑りやすくなることは予測できたものであるとして、店員による見回りや、床の清掃の対策を怠ったとしてショッピングセンターの責任が問われた。

 

【2】銀行転倒入口の足ふきマットで滑り転倒し骨折、92万円の賠償命令(事故発生平成21年3月)

賠償額:92万円

事案概要:みずほ銀行支店で客が足ふきマットですべり転倒し頭や腰を負傷した。負傷した会社役員の女性は同行に対して2800万円の損害賠償請求を求め訴訟

結論:東京高裁は「マットが床の上を滑りやすい状態で設置されていた」として銀行側の注意義務違反を認め92万円の賠償を命じた。

 

【3】ビルの外壁タイルがが落下、下にいた女性に直撃しケガ(事故発生平成28年7月)

事案概要:9階建てのビルの外壁タイルがはがれ落ち、通行人の女性に直撃し頭部を撃ちケガをした。外壁タイルが落下したのは9階建てビルの6階部分の外壁タイルで、30~40枚がはがれ、下にいた女性の頭部に当たりケガをした。

 

 

3.施設・建物管理不備による損害賠償リスクに備える方法

自社が所有や使用している施設・建物について、

老朽化している箇所や壊れかかっている部分、人が出入りしてケガをするような危険がありそうな状況がないかをしっかりと管理し必要なメンテナンスを抜かりなくやっておくことが、損害賠償に至るような事故を引き起こさない基本です。

しかし、事故が起こらないように24時間ずっと監視することはむずかしいことです。

日頃から十分な管理とメンテナンスをほどこし事故を未然に防止しても、突発的な外的要因や、人的なミスで事故は発生しています。

 

 

不遇にも、自社の所有・使用する施設や建物の管理不備が原因となって、第三者に損害賠償をしなければならない事故が発生してしまったときのために、保険でカバーすることができます。

「施設賠償責任保険」でこれらの事故によって、損害賠償責任を負った時に必要となるいろいろな費用を補償してもらうことができます。

 

【施設賠償責任保険で補償してくれる内容】

自社が所有したり、使用管理している建物や施設の構造上の欠陥・管理不備によって事故が発生し、第三者が損害を受けた場合の補償 自社が所有、使用管理している施設内外で行われる業務で、第三者への損害が発生した場合の損害賠償の補償

どのような事業を行っている場合も、会社で使用する建物や使用する施設があるので、施設賠償責任保険は業種を問わず加入しておく必要がある保険です。

被害をかけた第三者への損害賠償金の補償だけでなく、訴訟になった時の弁護士費用や訴訟費用も施設賠償責任保険で補償してもらうことが出来ます。

 

【施設賠償責任保険で支払われる保険金】

1.法律上の損害賠償金

法律上の損害賠償責任に基づいて損害賠償請求権者に対して支払うべき治療費や修理費等

2.訴訟費用や弁護士費用

損害賠償に関する争訟について支出した訴訟費用、弁護士報酬等の費

3.損害防止費用

事故が発生した場合の損害の発生または拡大の防止のために必要または有益であった費用

4.緊急措置費用

事故が発生した場合の緊急措置(他人の生命や身体を害した場合における被害者の応急手当等)に要した費用

5.協力費用

保険会社が発生した事故の解決にあたる場合、それに協力するために要した費用

などが、保険で補償されます。

 

4.施設・建物の賠償責任保険を選ぶ3つのポイント

 

1.施設・建物の管理不備や構造上の欠陥を原因として損害賠償責任が発生したときの補償になっているので、他の原因による損害賠償責任は補償されません。自社の業務内容により、他の賠償責任保険と組み合わせることも検討が必要です。

 

2.施設・建物を所有や使用している事業者は必ず加入しておくべき保険ですが、「漏水補償」や「財物の損壊を伴わない使用不能損害補償」などを特約で付けておくことも、検討してください。

 

3.業種によっては、施設・建物の管理不備を原因をする場合だけでなく、社員が行う業務を原因として他人に対して損害賠償責任が発生した場合も補償対象となる業種があります。自社の業務がこれに当てはまるかどうかも事前に確認しておくと良いと思います。

 

 

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